10/26の会見で、西山朋佳女流四冠がフリークラス編入を決めたことを会見で表明した。
背景について簡単に説明すると、現在8つ存在する女流タイトル戦の1つ「白玲」のタイトルを通算5期獲得すると「クイーン白玲」という永世称号を得るとともにプロ棋士として認められ、その地位はフリークラスとなる、ということが現在の規定で決められている。
フリークラスは順位戦に参加する資格を持たないが、直近30戦で65%以上の勝率を上げるとフリークラスを抜け、C級2組の順位戦に参加することができるようになる。
女性で初めて棋士になる、ということはエポックメイキングな出来事であるが、女流棋士しか参加できないタイトル戦を5期獲得したら棋士になれるという経路が「女子枠」と見られてしまうことは仕方ないことであり、それと戦っていく覚悟を持っているから資格を行使して棋士になったということなので、私としては活躍して認められていって欲しいという気持ちしかない。
今回のエントリーでは、単純にこれまでとこれからの比較でどの程度の棋戦に参加できるようになるのかをまとめていきたい。
元々、「男性棋戦」では一般棋戦とタイトル戦の予選に「女流枠」が存在し、女流棋士として圧倒的に活躍している西山さんや福間さんはこれまでもしょっちゅう男性棋戦で予選を戦う姿を見ることができた。
■一般棋戦
・朝日杯将棋オープン戦 3枠
・銀河戦 2枠
・NHK杯テレビ将棋トーナメント 1枠
・新人王戦 4枠
・加古川青流戦 2枠
■タイトル戦
・竜王戦 4枠
・王座戦 4枠
・王位戦 2枠
・棋聖戦 2枠
・棋王戦 1枠
・叡王戦 1枠
新人王戦と加古川青流戦は若手向けの棋戦であり既に西山さんに参加資格は無くなっている。NHK杯については出場女流棋士決定戦を勝ち残ることで枠に入るが、今後の西山さんがこの枠で出場資格を有するのかは分からない。(恐らく男性棋士側の出場条件のみになるのではないか)
残りの棋戦については、仮に女流タイトル戦を制覇すると全て参加できることになるが、基本的には他の女流タイトル保持者との枠の奪い合いとなる。
以上から、これまで出られたり出られなかったりという状況だったものが、確実に上記棋戦の予選に参加できるようになる、という点で棋戦参加は増えることになる。
一方で、女流枠が存在しない棋戦は以下となる。
■一般棋戦
・将棋日本シリーズ JTプロ公式戦(JT杯)
・達人戦立川立飛杯
■タイトル戦
・名人戦
・王将戦
JT杯は獲得賞金上位のみが参加するトーナメントで、西山さんが棋士となってからも女流棋士としての収入が参照される事は考えにくく、男性棋戦での活躍が必須となる。達人戦は50歳以上の棋士に参加資格があるため、参加することは直ちに考える必要がない。名人戦についてはフリークラスを抜けることが必要となる。
王将戦はフリークラス入りした次の期から参加資格が生じるので、以上から女流枠が存在しない棋戦については王将戦の予選への参加がすぐに増える出場機会といえる。
西山さんは今回の会見で、女流棋士としての活動は継続することを表明している。これまでの西山さんは、女流棋戦では無双して年間の対局数は50局以上となることが多く、女流棋戦で活躍することで男性棋戦にも出場機会を得ていたためトータルで年間60~70局ほどの対局となるスケジュール感で戦ってきた。今回のフリークラス編入後も、予選トーナメントの一番下で負ける限りはそこまで年間対局数は変わらないと思われる。
気になるのは西山さんの活躍度合いが上がってきた時のことで、直近30局の勝率が65%を上回ってフリークラスを離脱して順位戦に参加できるようになる、棋戦を勝ち上がることでさらに対局数が増える、という事になると年間の対局数が80や90になることも考えられる。
もちろん簡単なことではなく皮算用に過ぎないが、棋士編入試験の条件も「10勝以上かつ勝率65%以上」であり、既に一度棋士編入試験の権利を獲得している事から考えても、西山さんの活躍レベルが上がることは今から想像しておく必要がある。
以上です。






















