アスタブリードの曲解説及び感想

昨年末にこちらで書いたように、「花咲か妖精フリージア」に続きサークル「えーでるわいす」さんのシューティングゲーム「アスタブリード」にBGM担当で参加しました。
曲作成で後手後手に回っていてサントラ用の文章すらケアできなかったこともあり、またTwitterで検索するとかなりプレイ済みの方も増えていらっしゃるようなので、今回は当blogで簡単な曲解説をさせてもらいます。
できるだけ曲単位での解説及び感想で内容についてのネタバレはしない方向ですが皆無ではないので、お読み頂く際にはご注意ください。
ゲーム及びサウンドトラックをお持ちの方は鑑賞の足しにして頂ければ嬉しいです。
なお、このゲームのBGMはsamlieと、sound sepher (http://sepher.jp/) の坂本さんの2人の曲で構成されていまして、以下で自分の曲については自分の解説、坂本さんの曲についてはsamlieの感想を付けています。曲名あとのカッコ内が作曲者、曲名の前の数字はサウンドトラックのトラック番号です。



1. Tear the Filunes (samlie)

強い雨、暗い都市といった重厚なイメージと、物語がこれから始まるという盛り上がりをスローテンポなシンフォニック・ロックで表現しようとした曲です。
比較的早い段階で手を付けた曲なのですがこのプロローグステージ曲についてはイメージを作るのに苦労して3曲ほどの候補から選んでいます。


2. Return of the fragments (samlie)

プロローグステージのリザルトシーンに合わせて作成した曲です。samlieの作業が遅れ気味だったおかげもあり、セリフまで入った状態の絵合わせの形で作らせてもらえたので、精一杯シーンに合わせるようにしました。


3. Ready to move (samlie)

壮大な宇宙感を出すことを第一に考えた曲です。元々別な用途のボツ曲だったのですがチュートリアル曲として拾い上げてもらえました。
かなり早い段階で完成していた曲です。


4. Headwinds (samlie)

ステージ1は、だいぶ雰囲気の違う曲(20トラック目)を提出してボツになった経緯があり、その過程があったおかげでsamlieもアスタブリードの世界観により近いところに立てたと思います。この曲はその過程で生まれた曲で、強い風を感じられる疾走感とシリアスな主題を伝えたい想いを込めて作りました。


5. Energy diffuse (samlie)

汎用ボス曲としてボス曲の中では最初に完成した曲です。自己満足かとは思いますが、色々と展開を詰め込んだ曲になっています。最後まで聞くことなくボスが倒れることも多いことかと思いますがそういうのもボス曲の醍醐味ですね。


6. Prism reflection (samlie)

ワープ空間をイメージするにあたってはテクノが良いだろうと思い、できるだけ分数コードを多様して変な進行にするよう意識しました。耳のいい人には気持ち悪く感じられるんじゃないかと戦々恐々ですが、samlieは結構気に入ってしまっている曲です。


7. Imitation fleet (samlie)

艦隊決戦的な、スケール感の大きいステージ曲をイメージしました。うるさかったり静かになったりというところで宇宙空間での移動と戦闘のメリハリを表現しようと考えて曲中の展開を作っています。


8. Est (samlie)

samlie的正ヒロイン・エストの登場BGMですw
不遇な女の子はなんとかしてあげたい気持ちはあるのですが、女の子らしさを込めた主題は控えめにしてシリアスとヤンデル分を多めに配分しました。


9. Destruction of the core (samlie)

この曲にはsamlieはかなり救われた背景がありまして、制作序盤にステージ1とメインメニューの曲を提出したら「両方雰囲気に合わない!」となってやばいこのままでは・・・となったところで、秘蔵していたこの曲を「こちらがステージ4BGMでございます」と平身低頭して提出したら「いいじゃん」となって精神的にかなり救われたという一幕がありました。
シリアス、メロディアス、多彩な展開と自分の持ち味をよく出すこととステージのイメージに合わせることの両立ができた曲で、samlie的イチオシの曲となっております。


10. The same origin (samlie)

エスト2戦目、本気モードの曲です。エストの短い主題を展開させながら各所に配置して速いテンポのロックに乗せました。作って提出したときは、もっと重厚感が必要だったのではないかと悩んだのですが、この後に坂本さんに作って頂いたボス曲がいずれも重厚感とラスボス感のある曲となったので、かえってサウンドトラックとしては多彩になったのではないかと自己弁護してみますw


11. Erosion (samlie)

脱出です。焦燥感を出すことを第一に、侵食されたことのショックを第二に表現した曲になっています。C85締め切り直前に完成させた曲の1つです。迷惑をかけてしまいました。


12. Not alone (samlie)

ロイの走馬灯、ロイ・フィオ・エスト(正ヒロイン)の解決と、2つの場面を表現する曲で、後半は解放感を全開に出しました。基本的に会話シーンなのでメロディらしいメロディは敢えて付けていません。この曲も本当に最終締め切りギリギリまで作らせてもらってしまいました。


13. The Void (坂本さん)

坂本さんの曲で、ゲームのメインタイトルを冠する、この作品中最も盛り上がるボスBGMです。重厚な伴奏に3連符でひたすらテンションを煽る最高にエキサイティングな、ザ・ボス曲感あります。


14. Forward to the Filune (samlie)

このゲームの最高潮を過ぎた後の、静かに進む感じを表現しました。流れ上、サウンドトラックではボス曲とボス曲の間に位置しているんですが、いきなりスケール感がダウンするので再生している人を驚かせてしまったらすいません・・


15. Armaggedon (坂本さん)

実はsamlieはゲーム音楽と同じくらいプログレッシブロックやらそれ風の後進音楽ジャンルが好きでして、変拍子が流れるだけで興奮してしまいますw メロディの流れないイントロ部分では拍を減らして疾走感があり、メロディの流れる箇所ではイーブンの拍で、主題が終わったらイントロに似た展開だけどイーブンの拍のまま、好きです。


16. Consequence (坂本さん)

ゲームのストーリーが終わった後も全ては解決するわけではない、というシリアスさを感じられます。


17. Familia (坂本さん)

大団円、よかったね!という気持ちになれるエピローグのBGMです。跳ねるようなビートと伴奏が心地よいです。エストがですね(しつこい)


18. Life goes on (坂本さん)

宇宙の壮大さを感じる1曲で、3トラック目のものも同じものをバックに感じさせようとしているのですが、3トラック目は物語の始まりを表現しようとしました。この曲は物語の終わりをしっかり感じられ、samlieとしては勉強になりました。


19. Shade of stardust (samlie)

正式採用となったメインメニューBGMです。採用に至らなかった曲が壮大過ぎた・明るすぎたこともあり、シリアスで静謐な曲になるよう苦心しました。主題のアルペジオを残してコード進行を変えたあたりでは効果的に静かさを演出できたのではないかと思います。


20. Beyond the canyon (samlie)

採用に至らなかったステージ1のBGMです。まさかC85のPVで取り上げていただけるとは思っていませんでしたw (曲に展開を詰め込みすぎて)後半のピロピロしている部分がアスタブリードの雰囲気に合いませんでしたが、サウンドトラックには収録できることになり、嬉しく思います。この曲が軌道修正に役立ってくれたおかげで、最後まで関われたのではないかと思っているので、駄作ながら思い出になる、自分にとってそんな曲になりました。


samlieによる曲解説および感想は以上です。
ここまで読んでいただき、『ごくろーーぅ!しょくぅーン!』
失礼しました、どうもありがとうございました┏○ペコリ


※2014/05/05 タイトルに間違いがありましたので修正しました。
ご指摘ありがとうございます。