たまには音楽のネタでも書かないと自分の好きなCDの中身ですらどんどん忘れていきそうな歳なので、
適当にピックアップして聴きながら自分の認める「この曲とこの曲の繋ぎが素晴らしい!」と思うCDを私のキモイ妄想付きで紹介しようと思います。

洋楽邦楽問いませんが私はロックかそれ臭いものか、あるいはアニメ・ゲームのサウンドトラックかもしくはいわゆる一つのモザウェブとかUNDER17のような電波を発する音楽以外は普段聞きませんもんで、選曲に偏りが出るのは人の子のサガと言うものです。


ジャンルの区別はしないつもりですが、曲の繋ぎ勝負となるとコンセプトアルバム、つまり1つのコンセプトあるいはストーリーを体現して作られたアルバムが有利になるのは否定できないところであります。
この辺り自分がクラシック大好き人間ならクラシックばかりの選曲になりそうですが、幸か不幸かクラシックは門外漢に近いため無理です。


では適当に手元のCDをかけつつ紹介します。たまに入れ込み具合からどう見ても信者乙な文章があってもそこははいはいキモスでお願いします



Everon「Flood」
アルバムのイントロとも言える1曲目「Under skies...」の、サーガの序章を謳う詩人のような、緩やかながらシリアスを感じさせる旋律、天空で瞬く星空のようなピアノのアルペジオと重厚なシンセパッドは、この1曲でアルバムに対する想像力を十二分にかき立てます。長き旅への船出が近いかのように盛り上がる終盤のフレーズ、そしてその余韻が消えぬ間に、爆発的に押し寄せる2曲目「...of blue」の、打ち付ける荒波をかき分けて進んでゆく力強いAメロへの繋ぎは、何度聞いても高揚を覚えます。文句なしの素晴らしい印象度です。


Camel「Snow Goose
寒風の吹きすさぶグレートマーシュの夜明け、山あいから昇る太陽に光を受ける銀世界の農村が浮かぶ1曲目「The great Marsh」。世界背景を描く曲として理想的と思います。そしてフレーズが繋がり2曲目「Rhayader」のメロディをフルートが歌い出すと、各楽器が美しく絡み合い、マクロからミクロへと、このアルバムの舞台に光を当てていきます。終盤の「La princesse perdue」も素晴らしい曲なのですが、この2曲から感じ取れた情景はとにかく鮮明でした。


Dream Theater 「Scenes from a Memory」
マイベストの一つと言える1〜3曲目の繋ぎの恐るべき完成度の高さ。ニコラスが自分の魂のリンクするビクトリアへと心の奥底へ呼びかける1曲目「Regression」、その直後にモノクロームの世界が一気に七色の色彩を放つ2曲目「Overture 1928」、疾風のように物語の断片的なシーンをスクリーンに流したかと思えば、自分の中に本来あるはずのない記憶の中で彷徨い、確かな違和感を探そうとするかのようなニコラスが映り、また画面は断片的なフィルムを流してゆき、やがて映像は一つの事象に集約し、3曲目「Strange deja vu」へと繋がっていく。1〜2曲目で聞き手を舞台に引きずり込み、2曲目〜3曲目では見事な場面展開を見せつつも世界観を確立する、見事な表現力だと思います。


Marillion 「brave」
2楽章から成る10曲目「the great escape」の繋ぎは対比の美があると思います。特にSteve Rotheryのギターによる浮遊感のあるソロに主導され、このアルバム全体のもたらす陰鬱とした緊張感の糸を第1楽章「the last of you」で限界まで引き絞り、そして第2楽章「fallin' from the moon」のクライマックスで見事なまでに解放する、煌びやかなカタルシスをもたらしてくれる名曲です。各演奏のテンションも最高に盛り上がってきます。このアルバムに限らずMarillionは雰囲気作りの職人芸を色々な曲で魅せてくれるバンドです。


Pain of Salvation 「The Perfect Element part.1」
1曲目「used」2曲目「In the flesh」、私の聞き手として理想とするもの、全てがある2曲です。このアルバムは作り手としての私の理想としているアルバムでもあります。物語の入り口には嵐が吹き荒れ、神の手から逃れようともがくが如く錯乱し、嘆きの歌が響く1曲目、その歌が止んだ反響が聞き手の心の壁に染み込んだ頃、漆黒の海から押し寄せる波を思わせるギターのアルペジオが、プログレメタル史上に残るであろう名曲中の名曲「In the flesh」を導いてゆきます。聴くたびに戦慄を禁じえない、色褪せない2曲です。



あんまり推敲してないけど妄想だと思えば許せてしまう


to be continued